第22章

誰が想像しただろう。いまの教授が、まるで木偶の坊みたいに固まっているなんて。

黒板に書かれた答えを見つめたまま、指先がかすかに震えた。

「……ちょっと待って。そこの君、名前は?」

「二ノ宮原子です」

「二ノ宮さん。授業が終わったら、研究室に来なさい」

そう言い終えた瞬間、チャイムが鳴った。教授はどこか上機嫌で荷物をまとめ、二ノ宮原子の横を通りすがりに念押しする。

「忘れないでくれ。研究室で待っている」

二ノ宮原子は釈然としないまま、黒板の問題を見上げた。間違えていない。自分でも、そう確信できる。

席へ戻り、鞄を整えてから行こうとした、そのとき。

隣の席の、明るくて小動物みた...

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