第31章

薄原川人は目を細め、視線だけで脅してくる。

「二ノ宮原子、よく聞け。お前は俺が精神病院から連れ出した人間だ。俺には、いつでもお前をあの地獄に送り返す力がある。……分かったか」

二ノ宮原子は、わずかに目を瞬いた。

今日の薄原川人、どうかしている。薬でも飲み間違えたのか。

さっきから言動が、あまりにおかしい。

返事がないのを見て、薄原川人はさらに目を細めたまま、一歩、また一歩と迫る。

そして二ノ宮原子を壁際へ追い詰めた。

「二ノ宮原子。……俺に隠し事をしているな?」

二ノ宮原子は面食らう。

真っ先に、買い物がバレたのかと疑った。だが、その線は薄い。

それに薄原川人は、決定的な...

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