第44章

薄原川人が二ノ宮原子をそばに置く理由――まさか、それが答えなのか。

「川人、実は今日来たのはね……この前、街で薄原花にそっくりな人を見かけたの。ほんと、びっくりするくらい同じ顔。連絡先も聞けたんだけど……時間があるときに、一度会ってみない?」

薄原川人は立ち上がった。黄前美弥の言葉にも、表情は揺れない。

「似ていても……彼女じゃない」

黄前美弥は唇を噛んだ。薄原川人がここまで自分に冷たいなんて、認めたくない。

彼の腕にすがりつき、甘ったるい声で囁く。

「川人ぉ……外、真っ暗で怖いの。ひとりで帰れない……ここに一晩泊まってもいい?」

薄原川人は眉をひそめたが、否定はしなかった。大...

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