第55章

警察がやって来て二ノ宮原子から事情聴取を取り、そのままファン三人を連行していった。

騒ぎを見ていた野次馬たちは「二ノ宮薫子のファンらしい」と聞くや、こぞって動画を撮ってはネットに投げる。

一時間もしないうちに、ネットはたちまち炎上気味の騒ぎになった。

「よく笑っていられるな」

二ノ宮原子の口元の笑みが、ぴたりと固まる。ゆっくり振り返った。

薄原川人の値踏みするような視線が、彼女の顔を上から下までなぞる。

「いい度胸だ。今回は俺が手を出した。次は――本当に見てみたいな。バスが、お前を轢き潰す瞬間ってやつを」

二ノ宮原子は視線を落とした。

薄原川人は片手をポケットに突っ込み、踵を...

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