第66章

温水洋一は、病床に横たわる薄原佑哉を指さした。佑哉はいま、ほとんど半昏睡に落ちかけている。

校医は眉をひそめる。――明らかに、楽観できる状態ではない。

校医が校内の医師を総動員で呼び集めたところで、温水と二ノ宮原子は視線を交わし、ようやく事の深刻さを実感した。

温水は思わず舌打ちする。

『なあ……あいつが誰か、知ってるか?』

この学校にいる連中は、金か権力か、その両方を持っているのが当たり前だ。温水の家もそれなりに名は通っているが、それでも「触れちゃいけない相手」はいる。

二ノ宮原子は冷ややかに温水を一瞥した。

『相手も分からないで殴ったの?』

『だって、お前が絡まれてるの見...

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