第152章

江原安美は一瞬ぽかんとしたが、すぐに吐き捨てるように言い返した。

『あんた、頭に水でも入ってんの? 自分がどれだけのもんだと思ってるわけ?』

言い終えるか終えないかのうちに、屋上にいた十数人の手下が一斉に銃を構えた。

黒々とした銃口が、彼女の頭を正確に捉える。

江原安美はその場で硬直し、心臓が一拍、抜け落ちた。

――やばい。ここ、あいつの縄張りだったの忘れてた。

藤原信介の表情がすっと沈む。片手を上げて合図した。

『何してる。銃を下ろせ』

手下たちは逡巡しながらも、渋々銃を引っ込める。

藤原信介は、さっき先頭で銃を上げた男の前まで歩いていき――躊躇なく平手を叩きつけた。

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