第153章

また誰かが言った。

『知ってる? あいつの初恋が入ってた精神病院、火事になってさ。あの女、死んだんだって』

『え、マジで?』

『間違いないよ。親戚がそこで働いててさ、建物まるごと焼け落ちたって。生き残りはゼロ』

『前妻が戻ってきた途端に初恋が死ぬって、出来すぎじゃない?』

『障害を消すために、わざとやった人間がいるんじゃないの』

奥様たちは意味ありげな視線を交わした。

そして自分の子どもを呼び戻し、稲子とは遊ぶなときつく言い聞かせる。

母親が人を殺すような女なら、その娘だってまともなはずがない。触らぬが吉、近寄らないのが一番だ。

仲間を失った稲子は、何が起きたのか分からず首...

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