第164章

『愛してる』川崎佑哉は、もう一度そう繰り返した。

江原安美は恥ずかしそうに唇を噛む。『わ、私……』

『言わなくていい。俺の話を聞いてればいいんだ。江原安美――おまえは、絶対に俺のものになる』

低くて、優しい声が耳の奥にまとわりつく。

眠りに落ちてもなお、夢の中でその告白だけが響いていた。

翌朝。

江原安美が目を覚ましたのは、稲子の笑い声のせいだった。

寝返りを打ってスマホを手探りし、画面を覗く。まだ7時半。

階下からがやがやと話し声がする。両親だけの人数じゃない。

着替えて下へ降りると、リビングの光景に足が止まった。

陸田明広の一家三人が、きっちり揃ってソファに座っている...

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