第180章

「そのとおりだ」陸田明広は頷いた。「専門的な催眠で彼の潜在意識に入り、人格が切り替わる根っこを突き止める。あの雪山事故で、彼が本当に傷ついた『核』を見つけられれば……主人格がもう一度、身体の主導権を取り戻して、正常に戻る可能性がある」

陸田明広の言葉を聞いた瞬間、江原安美の瞳に小さな光が灯った。

川崎佑哉が治るのなら――どれほど難しくても、やってみたい。

けれど、その希望は、ほんの数秒しか続かなかった。

安美は明広を見つめ、苦い笑みを浮かべる。

「でも、明広……彼、私に会いたがらない。どうやって連れてくるの? 催眠なんて」

「催眠治療は、本人が自発的に協力してくれないと成立しない...

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