第22章

彼の吐息が彼女のうなじにかかって、くすぐったい。

江原安美は身をよじって逃れようとした。けれど腕の力は逆に強まり、ぎゅっと抱きすくめられる。

安美は何も言わなかった。

「最近のおまえ、ずいぶん変わったよな」川崎佑哉が勝手に言う。「それに……おまえの目に、もう俺が映ってない」

「江原安美。俺はおまえの夫だ。いつだって俺を一番に考えろ。おまえの視界に入っていいのは俺だけだ」

「俺以外を見るな。心に入れるな」

安美は鼻で笑った。

「……自分がどれだけ横暴か、分かってる?」

自分は鈴村千雪といちゃつくくせに。

彼女が友だちに会うことさえ、許さないというの?

「結局、おまえは陸田明...

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