第39章

江原安美が彼を呼び止めた。

「分かった。条件、のむ。……だったら、あなたの言う『条件』って具体的に何なのか、先に話して」

川崎佑哉は眉を上げる。

「忘れたのか。頼み事をしてるのは、おまえのほうだろ」

江原安美は唇を噛んだ。

「……じゃあ、無理難題は出さないって約束して」

「は」

佑哉が小さく鼻で笑う。

「俺にそんな約束させる立場か?」

江原安美は奥歯を噛みしめ、黙り込んだ。

――この男、筋が通ってなくても三分は得しようとする。

結局その日、川崎佑哉は条件の中身を一切口にしなかった。

ただ「そのうち言う」とだけ残して。

それが、江原安美の不安をいっそう煽った。けれど他...

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