第20章 何を発狂してるんだ、病気か?

冷水を浴びた刺激で、紀藤瑛介は一気に酔いが醒めた。

結城凝香のもとへ来たのは、下心がなかったわけではない。

もしかしたら、二人の間に何かあれば、関係を修復するきっかけになるかもしれない――そんな考えが、どこかにあった。

だが、結城凝香のまるで波ひとつ立たない目を見た瞬間、彼は急に自信を失った。

自分には、それほど魅力がないのか。

ほんの少しも、彼女を惹きつけられないのか。

三年という時間も、終わるときはこんなにもあっけないのか。

身体だけでなく、心までひやりと冷えていく。

結城凝香は肌を覗かせるネグリジェ姿のまま、洗面所の扉にもたれ、皮肉げに目を細めた。

「紀藤瑛介、あなた...

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