第38章 あなたの恋人は誰?

翌日の午前、紀藤瑛介は葉月清奈の退院手続きを済ませ、彼女を家まで送り届けてから会社へ向かった。

葉月清奈はすぐに石原由紀へ電話をかけ、その日の夕方六時に、いつものバー――『泡沫』で会う約束を取りつけた。

店名だけではとてもバーには思えないが、店内には個室もあり、紀藤瑛介や葉月清奈のような立場の人間が集まるにはちょうどいい場所だった。

「由紀、温井賢人も忘れず連れてきて。私も何人か声をかける。それから、結城凝香も」

葉月清奈は唇を噛み、憎々しげに言い切った。

「凝香に見せてあげなきゃ。瑛介の中で、いちばん大事なのは誰なのか」

ここしばらくの探り合いで、石原由紀もすでに理解していた。...

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