第47章 あなたを失うのが怖いだけだ

葉月清奈は、結城凝香が中から出てくるのを見るなり、顔に嫉妬の色をよぎらせた。何か言いかけた、その瞬間――結城凝香は、そんな隙を与えない。

すぐ後ろから紀藤瑛介が階段を下りてくる。葉月清奈は慌てて追いすがった。

紀藤瑛介はバスローブ姿のまま。いっぽう結城凝香の服装は乱れもなく整っている。少なくとも、取り返しのつかないことは起きていない――それだけは一目でわかった。

あと一歩遅かったら……

自分が望まない「何か」が、起きていたかもしれない。

ソファに腰を下ろした紀藤瑛介は眉を寄せ、葉月清奈を見た。

「今夜のビジネスレセプションで問題が起きたって言ってたよな。なのに、どうしてここに来る...

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