第12章

華蓮はやわらかな声に子ども特有の弾んだ調子を混ぜ、平岩空人の車椅子のそばへ駆け寄ってぴたりと止まった。小さな手が、そっと肘掛けに触れる。

空人は手探りでその指先を包む。微かに冷たい。できるだけ穏やかな声を作って尋ねた。

「華蓮。さっき言ってたな。お兄ちゃん、今日はいつもと違う気がするって」

華蓮は小首をかしげてうんうん唸り、眉間にしわを寄せた。

「うまく言えないんだけど……なんか変なの。今日はずっとママにべったりで、あたしが話しかけてもあんまり相手してくれないの。それに、一緒に積み木のお城つくるって約束したのに、今日もまた遊んでくれない」

言い終わるころには、唇がぷうっと尖って、今...

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