第14章

和泉白子はもう彼女を見る気もなく、鼻で笑って顔を背けた。

「その顔に傷つけるんじゃないわよ。周防様に申し開きできなくなる」

今夜中に和泉静留を周防の友人のベッドへ送り込む算段がなければ、和泉白子はこの程度で折檻をやめる女ではなかった。

冷たい濡れタオルが、乱暴に頬へ押し当てられる。平手打ちの跡はまだ、焼けつくように痛んだ。

和泉静留は使用人二人に両腕をつかまれ、車へ押し込まれる。ガタガタと揺られた先は、郊外の景色が売りのホテルだった。

手首は背中でねじ上げられ、縄で縛られている。口にはガムテープ。

バタン、と扉が閉まり、続いてカチリと内鍵がかかる音。命のカウントダウンみたいに冷た...

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