第10章

「水鏡のアシストで千桐社長とのアポが取れ、君の尽力で契約に至った。このプロジェクトの手柄は二人で折半、それでいいね?」

伊藤諭介は満面の笑みを浮かべていた。

しかし、零崎折識はその笑顔の裏に潜む、ある種の脅迫めいた響きを感じ取っていた。

苦労して手に入れたプロジェクトだ。それをみすみす半分も持っていかれるなど、零崎折識としては到底承服しかねる。

「人事部がアシスタント部の案件に直接口出しできるとは知りませんでした。この件、星野社長はご存知なのですか?」

零崎折識はさも重大な秘密を知ってしまったかのように、わざとらしく目を丸くして見せた。

アシスタント部のメンバーは全員が同格であり...

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