第101章

部屋の中は、不気味なほどの静寂に包まれていた。

どれくらいの時間が経っただろうか。頭上から低く、しわがれた声が降ってきた。

「怖がることはない。君のオフィスの監視カメラを見られるのは、私以外にいない」

零崎折識は愕然とし、彼の腕の中から身をよじって顔を上げた。

「じゃあ、さっきまでずっと私を見ていたんですか?」

星野煌は否定しなかった。代わりにタバコを一本取り出して火をつける。

深く吸い込んだ煙が、彼の端整な顔立ちを曖昧にぼかす。その瞳の奥には、どこか冷ややかな光が宿っていた。

零崎折識はあえて艶然と微笑み、星野煌の口元に顔を寄せると、唇の端に蜻蛉が水面を掠めるような軽いキスを...

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