第122章

「あなたなの?」

水鏡美琴の声が、外から響いてきた。

星野煌は眉をひそめる。

「私だ」

低く沈んだその声には、情事の直後特有の、砂利を含んだような嗄れが混じっていた。

扉一枚を隔てた外では、その場にいた全員が呆気にとられていた。

水鏡美琴は頭を殴られたかのように、思考が真っ白に染まる。

なんてこと、まさか彼だったなんて。

それなら、先ほど自分たちが話していた悪口や噂話は、すべて本人に聞かれていたということになるのではないか?

他の取り巻きたちも顔を見合わせ、気まずさのあまり、靴の中で足の指を丸めていた。

まさか陰口を叩いていた相手が、まさにその壁の向こうにいたとは。

ど...

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