第13章

聞こえはいいが「私設秘書」なんて、実質的には「愛人」と大差ない。

零崎折識は古橋社長の提案を丁重に断り、話題をなんとか土地の件に戻そうと試みていた。

だが、古橋社長はその話題に乗ってこないどころか、隙あらば彼女の体に触れようとしてくる。

「古橋社長、そろそろ本題に入りませんか?」

零崎折識は笑顔で遮ったが、その仮面は今にも剥がれ落ちそうだった。

度重なる邪魔に、温厚な人間でも怒り出すところだが、古橋社長もさすがに機嫌を損ねたようだ。

ただ、彼は零崎折識のことを視覚的に気に入っており、その「本題」とやらに時間を割いてやることにした。

「本題だと? 言ってみろ。どんな用件だ」

「...

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