第139章

琥珀椿は動画を零崎折識の手に押し付けると、さっそくピーチクパーチクとまくし立て始めた。

動画を目にした瞬間、零崎折識の頭の中で何かが弾けた。

思考が真っ白になり、耳鳴りがして相手の声など一文字も入ってこない。天地がひっくり返るような目眩(めまい)がした。

終わった。完全に終わった。

どうしてこんな動画がネットに流出しているのか。

顔は映っていないはずだが、万が一ということもある。

もし誰かが監視カメラの映像を辿ったり、あるいは自分が星野煌の別荘にいた事実を突き止めたりしたら、どうなる?

底冷えするような寒気が、零崎折識の心の奥底から這い上がってきた。

恐怖が心臓を鷲掴みにする...

ログインして続きを読む