第164章

これ以上は、もう聞いていられなかった。

零崎折識は通話を強制的に切断すると、スマートフォンをベッドの隅に放り投げ、膝を抱えて泣き崩れた。

世の中には、子供を愛さない親というものが確実に存在する。

それが、長年かけて彼女が導き出した結論だった。

自分が身を粉にして稼いだ金が、すべて弟のために吸い上げられていく。そう考えただけで、零崎折識の目から涙が止まらなくなった。

ブブブブブ……。

放り投げたスマホが執拗に震え続ける。

父、母、そして弟。三人の家族による波状攻撃だ。

目的を達するまでは絶対に諦めないつもりだろう。

無視し続けることは不可能だと悟り、零崎折識は観念して通話ボタ...

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