第167章

「今、どうなってるの? 怪我はない?」

 零崎折識は焦燥に駆られ、受話器に向かって問い詰めた。

「怪我人はみんな病院送りだ。急いで金を振り込んでくれ。そうしないと、お前の弟が警察に引っ張られちまう……」

 警察に、捕まる。

 弟はまだ未成年だ。もし補導され、前科でもつけば、将来の就職にどれほど不利になるか計り知れない。

 零崎折識に迷っている時間はなかった。電話を切るや否や、即座に二百万を指定の口座へ送金した。

 だが、送金後の銀行口座の残高を目にした瞬間、思わず重いため息が漏れる。

 この穴埋めをするのに、一体いつまで働き続ければいいのだろうか。

 頭痛が痛い、とはまさにこ...

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