第172章

車内。

零崎折識は全身の脱力感に苛まれながらも、懸命に指を動かし、零崎誠良たちへメッセージを送っていた。

星野煌が一瞥し、不機嫌さを隠そうともせず眉間を寄せる。

「随分と親しいようだな」

「まあ、それなりには。今はもう友達ですし、私の成績の多くは彼のおかげですから。今日はみんなで食事をする約束だったのに、私が途中で抜けちゃったので……」

零崎折識は顔も上げず、返信を打ちながら言い訳を口にする。

ヒュオオオオ……。

車内の気温が一気に氷点下まで下がった錯覚を覚える。

零崎折識は思わず肩をすくめ、振り返って星野煌の暗い瞳と視線を合わせると、ごくりと唾を飲み込んだ。

「あくまでク...

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