第19章

椿原冴の笑顔が強張った。

「私の配慮が足りなかったわね。罰として三杯飲ませてもらうわ」

この食事会を取り仕切ったのは彼女だ。零崎折識の言葉は、実質的に彼女の顔に泥を塗るようなものだった。

その場の空気が重くなったのを見て、水鏡美琴が助け舟を出した。

「皆さん、突っ立っていないで座りましょう。伊藤部長、こちらの上座へどうぞ」

水鏡美琴は率先して主賓席の椅子を引いた。

伊藤諭介が座るのを見届けてから、自然な動作でその隣の椅子を引く。

椿原冴も瞬時に反応し、他の者より一足先に伊藤諭介の右側に座った。

好位置をすべて占領され、他の参加者たちの笑顔は引きつったものになった。

もっとも...

ログインして続きを読む