第207章

会議室からは、絶え間なく口論する声が漏れ聞こえてくる。

防音対策は万全のはずなのに、「クビ」という二文字だけは、はっきりと耳に飛び込んできた。

零崎折識は沈黙する。

「……」

ああ、逃げ出したい。

一体どういうことなのか。中の連中は自分の処遇について議論しているというのに、なぜ当の本人はオフィスで待機させられているのか。真っ先に解雇通告を突きつけるためだろうか。

もちろん、零崎折識とて解雇されるのは気分が悪い。だが、後悔はしていなかった。

もし時を巻き戻せたとしても、あるいはもう一度人生をやり直せたとしても、彼女は迷わず同じ選択をするだろう。

それでも、「解雇」という現実を思...

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