第208章

視線が交錯する。

零崎折識はかつてないほど冷静だった。いつもは笑みを湛えているその瞳は無機質で、深い失望の色すら滲ませている。

なぜだろう、目の前の男が急に赤の他人のように思えた。

この瞬間、彼女は痛感したのだ。彼は単に体を重ねるだけの相手ではなく、この会社の経営者なのだと。

もしかすると、星野煌も他の人間と同じで、利益こそが全てなのかもしれない。

彼にとって最も重要なのは家を売ることであり、それ以外の事情など、生活のほんのスパイスに過ぎないのだろうか。

零崎折識は心を落ち着かせ、毅然と言い放った。

「後悔はしていません。絶対に」

「もしやり直すチャンスがあったとしても、私は...

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