第217章

眠れぬ夜になることは、最初から決まっていたようなものだ。

午前三時。

ベッドの上で寝返りを打ち続けていた零崎折識は、弾かれたように上体を起こした。窓の外の景色を眺めるその心境は、複雑極まりない。

目を閉じれば数時間と経たずに、浮気相手として吊るし上げられ、暴行を受ける悪夢にうなされるのだ。

だから、怖い。

もしも、ということがある。

水鏡美琴は情け容赦のない女だ。自分を絶対に見逃しはしないだろう。

あの二人が結婚してしまえば、真っ先に血祭りにあげられるのは自分だ。

その時、静寂を破って着信音が鳴り響いた。

椿原冴からのメッセージだ。

十分後、零崎折識は身支度を整え、バッグ...

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