第235章

漆黒の夜。

部屋の中、二人は固く抱き合っていた。

星野煌は掠れた声で言った。

「たかが継承権だろう? 今、俺が実家を必要としているのか、それとも実家が俺を必要としているのか、どっちだと思う?」

長い年月が過ぎ、自分はもうあの頃のひ弱な少年ではない。すでに誰も見上げざるを得ない大樹へと成長しているのだ。

たとえ親父だろうと、実家だろうと、それがどうしたというのか。もう彼を縛り付けることはできない。

様々な出来事を経て、双方の立場はとっくに逆転している。

彼が立ち上げたこの会社は、実家の事業規模にはまだ及ばないものの、それは単に歴史が浅いというだけの話だ。あと数年もすれば追い抜くこ...

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