第26章

「あんた、仕事見つかったって言ったわよね? 金はどうしたのよ。まだ振り込まれないなんて、まさか結婚したくないからって嘘ついてるんじゃないでしょうね?」

 電話に出るなり、零崎の母は開口一番に金を要求してきた。娘の生活を案じる言葉など、これっぽっちもない。

 こんな会話に、零崎折識はもう感覚が麻痺するほど慣れきっていた。

 家族が連絡をしてくる唯一の目的は「金」だ。それ以外の用事で連絡が来ることは絶対にない。

 零崎折識は乾いた声で、自分を正当化するように弁解した。

「本当に仕事は見つかったの。まだ給料が出てないだけ。出たらすぐに振り込むから」

 そう言っても、母親の疑いは晴れない...

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