第31章

零崎折識は動きを止めたまま、しばらく声が出なかった。

帰ってきたとき、すっかりそのことを忘れていたのだ。

「これ、スーパーコピーよ。私がこんな高いブレスレットなんて買えるわけないじゃない」

零崎折識は蓮見紅羽にバレるのを恐れ、慌てて腕を引っ込めた。

蓮見紅羽は疑う様子もなく、「ふーん」と納得して視線を外した。

それ以上追及されることはなく、零崎折識はようやく安堵の息を吐いた。

食後、部屋に戻った零崎折識はブレスレットを外し、大切にしまった。

これほど高価なものだ、万が一失くしたら大変なことになる。

ベッドに横になり、零崎折識はようやく実家の母へ送金することを思い出した。

『...

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