第32章

連絡先を無事に交換し終えると、零崎誠良は満足げにスマホを置いた。

時間も遅いからと、彼は自ら申し出て食事会をお開きにした。

零崎折識は心に引っかかることがあり、上の空のままそれに同意した。

零崎誠良が車で送るという申し出を丁重に断り、零崎折識と蓮見紅羽は腕を組んで夜道を歩き出した。

二人きりになってようやく、蓮見紅羽はさっきの出来事について尋ねるチャンスを得た。

「さっき店で誰を見たの? 魂が抜けたみたいな顔してたけど」

蓮見紅羽は好奇心でいっぱいの顔をしている。

零崎折識はバッグからスマホを取り出し、盗撮したばかりの写真を見せた。そこに写っている人物を確認するなり、蓮見紅羽は...

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