第34章

翌日、会社にいた零崎折識は、夜に控えたモリスーとの会食の準備に追われていた。

本来であれば、今日こそ零崎誠良が来社し、契約書にサインをする手はずになっていた。

だが、待てど暮らせど彼は現れず、結局届いたのは一通のメッセージだけだった。

『契約の日取りを少し後ろにずらしたい』

その文面を見て、折識は眉をひそめた。

最近、契約の段階になると決まって何らかのトラブルが起きる。まるで呪われているかのようだ。

メッセージを見た瞬間、折識の脳裏に真っ先に浮かんだのは、水鏡美琴の顔だった。

直感でしかないが、彼女が裏で糸を引いている気がしてならない。そういえば、今日は一日中、美琴の姿を社内で...

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