第51章

言葉を交わしながら、二人はそちらへと歩み寄った。

蓮見紅羽は肘で零崎折識をつつき、紹介を始める。

「黒川さん、こんばんは。こちらは零崎折識。葉山グループの営業よ」

零崎折識は愛想よく挨拶し、蓮見紅羽を促して黒川天誠の向かいに座った。

零崎折識の姿を認めると、黒川天誠の目がぱっと輝いた。

「零崎さん、はじめまして。黒川天誠です」

ぎこちない自己紹介が終わり、蓮見紅羽が率先して注文を済ませる。

「黒川さんと話して」蓮見紅羽が小声で促す。

せっかく彼女を連れ出したのだ。あとは零崎折識の手腕にかかっている。

何しろ、不動産販売に関して言えば、蓮見紅羽はまったくの素人なのだから。

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