第62章

受付の女の子は、彼に怒鳴られて泣きじゃくっていた。

「お待たせしました、ここにいますよ」

零崎折識は一つ深呼吸をしてから歩み寄る。その顔は、彼と目が合った瞬間に満面の営業スマイルへと切り替わっていた。

「鳩山さん、どうされたんですか? 何か御用があれば、携帯にご連絡いただければすぐに飛んでまいりましたのに」

「なんでメッセージを返さないんだ!」

鳩山裕也は彼女を見るなり、腹の虫が治まらないといった様子で怒鳴りつけた。

「それが君たちの仕事だろう? こっちは一時間近くも待たされたんだぞ。どういうつもりだ」

「まあまあ、そう興奮なさらないでください」

零崎折識は、来る途中の道端で...

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