第百十九章

エズラ

どれくらい内装作業を続けているのか、自分でもわからなかった。壁は塗装したが、二度塗りが必要だろう。家具の組み立てにも着手した。ここに入ってから、一度も休憩を取っていない。部屋の真ん中に立ち、進捗状況を確かめ、何か見落としがないか確認する。

「エズラ、何してるの?」アラナの声に思考を中断され、俺は喜んで彼女に意識を向けた。

「やあ、可愛い人。部屋を仕上げて君を驚かせたかったんだ。あまり長く眠れなかったみたいだね」

「エズラ、私、三時間くらい寝てたわよ」彼女は笑う。

待てよ。なんだって?三時間も経っていたなんて気づかなかった。「ごめん、時間に気づかなかった。今日中にほ...

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