第105章 天龍

葉山天は、この程度の軽いセクハラまがいの接触には大して何も感じなかった。実際に服の中に手を入れられたわけでもないのに、よくもまあ自分が被害者だと言えたものだ。

「勘弁してくれよ。その理屈が通るなら、俺のほうこそお前にセクハラされたって言えるぜ」

相手が別の女であれば、葉山天も下心の一つぐらいは抱いたかもしれない。だが、この学園一の美女は「天龍」のメンバーだ。そこは女が男として扱われ、男が家畜として扱われるような場所だ。そんなところの出身者に関わって、ろくな目にあうはずがない。

「あらそう。仮に私があなたに手を出したとして、それが何だと言うのかしら? 可愛い弟クン」

東野月は普通の女子...

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