第118章 衝突

柳崎飛武は、女の園を我が物顔で渡り歩くプレイボーイだ。端正な顔立ちに加え、実家は莫大な資産を擁する名家。美貌と富を兼ね備えた男が歓迎されない場所などなく、それゆえに彼が手篭めにした女の数は計り知れない。

葉山天の身に纏わりつく匂い――それは明らかに、女と肌を重ねた後の残り香だった。自分の婚約者が、他の男に組み敷かれていたなどと想像した瞬間、柳崎飛武の胸中に凄まじい怒りが沸き上がった。彼は腹の底で毒づく。

『俺の目の前で他の男に抱かれるとはな……いつか必ず、その代償を払わせてやる!』

「貴様、葉山天とか言ったな!」

柳崎飛武は冷ややかな視線で葉山天を指差した。

「綾瀬玲奈の身体を手に...

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