第123章 喧嘩別れ

洛神が動き出すのを見ても、葉山天は動じなかった。むしろ心の中で「望むところだ」と呟く。

天龍の長たる者がどれほどの強さなのか、この目で確かめてやる――と。

葉山天は全神経を集中させ、相手の攻撃軌道を見据えた。洛神の狙いを捉えた瞬間、一歩下がってから踏み込み、反撃に転じるつもりだった。

だが、突如として異変が起きた。

圧倒的な威圧感が、葉山天に襲いかかったのだ。体が動かない。驚愕に目を見開き、迫りくる洛神の手のひらをただ呆然と見つめることしかできなかった。

(一体、どうなっている?)

葉山天は困惑した。なぜ体が動かないのか。これほどの重圧は、過去にどれほど強大な敵と対峙しても味わっ...

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