第327章 特殊な恩返し(3)

窮地を脱したばかりの西園寺理菜は、救いの手を差し伸べてくれた相手に対し、まずは報いたいという思いに駆られていた。恩返しの形は人それぞれだが、金も力もない彼女が、葉山天のためにできることなどたかが知れている。

唯一の武器と言えば、己の身体くらいのものだ。身長一六八センチ、豊満な肢体。理菜は自分の容姿にはそれなりの自信を持っていた。焦燥感にも似た報恩の念が、彼女に「体での支払い」という選択肢を想起させる。

だが、葉山天が妹の恋人であるという事実が、理菜の足かせとなる。もし一線を越えてしまい、それが妹に知れたら――彼女はどう思うだろうか。

理菜は酒を一口含み、グラス越しに天の様子を窺った。彼...

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