第335章 二人の女の争い

東野月は、自分なりのやり方で葉山天の心を動かそうとしていた。任務を完遂するために。

残された時間は少ない。洛神からの厳命は、新年までに葉山天を「天龍」に引き入れるか、さもなくばK市へ撤収せよというものだった。

特殊任務ゆえ、たとえ失敗しても処罰はないかもしれない。だが、天龍の構成員にとって、上層部からの指令を果たせないことは恥辱に他ならない。

自身の経歴に汚点を残したくない東野月は、組織の規定に抵触するリスクを冒してでも、葉山天に協力して子供たちを鍛えようと考えた。先ほど屋上から観察したところ、五人の子供たちはそれぞれ独自の資質を秘めている。育て方次第で、間違いなく化けるはずだと確信し...

ログインして続きを読む