第339章 海の向こうからの知らせ(1)

父に対し、葉山天は数え切れないほどの悔恨を抱えている。

かつて若気の至りで家を飛び出したものの、逃げるだけで何かが解決するわけではない。海外での放浪を経て、彼はただの少年から一人前の男へと脱皮した。

男と少年の違い。それは俗に言う「女を知っているか否か」などという低俗な基準ではない。

男として背負うべき責任を、全うできるか否かにあるのだ。

医師としての最大の責務は、患者に対し誠実であることだ。その点において、父はまさしく医師の鑑だったと言える。我が子が危篤状態にありながら、彼は他人の子供の手術を執刀し続けたのだから。

それは究極の選択だった。当時、父・葉山乃介が担当していたのも緊急...

ログインして続きを読む