第365章 今夜はあなたたち一緒に(2)

水原玲子は、葉山天と自分の母親のことについて、それ以上深く尋ねようとはしなかった。心の奥底に巣食う暗い影は、まだ完全には晴れていないのだ。一瞬の間を置いて、玲子の顔に失望の色が浮かぶ。普段の彼女はいつも明るく、天真爛漫な笑顔を絶やさないだけに、こんなくぐもった表情を見せるのは極めて稀なことだった。

「天くん、私ってやっぱりダメな人間なのかな。外に出ても、何一つまともにできないなんて……」

玲子は卒業後、就職する間もなく佐藤政志との一件があり、そのまま専業主婦となった。学校で学んだ知識は二年の空白ですっかり抜け落ちてしまっている。Y市に戻り、頭を冷やすつもりで仕事を探してみたものの、自分が...

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