第372章 この上なく魂を奪う

西園寺理菜の両親は、葉山天が裸一貫から身を立てたと知り、心からの感嘆を覚えた。若くして病院を経営し、さらにホテルまで開業しようとしている。その才覚は彼らの想像を遥かに超えていた。

驚きが去ると、今度は不安が頭をもたげる。葉山天はあまりにも優秀すぎる。そんな男が、なぜ自分たちの娘を選んだのか? ただの火遊びではないのか? 商才だけでなく、容姿も非の打ち所がない。そんな彼が樹希に惚れた理由が、彼らには不思議でならなかった。

「葉山君はたいしたもんだ。親の七光りなしで事業を興すなんて、都会の子にしては本当に珍しい」

西園寺の父は酒を一口煽り、しみじみと言った。

父は常々、都会の人間は人脈も...

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