第375章 結婚問題

「梓川村長の頑固さは、お前たちもよく知ってるだろう。あそこは一人息子だからな、跡取りとして期待してるんだ。牛尾くんはまだ結婚もしていないし、村から出すわけがない。行くだけ無駄だ」

 西園寺理菜の父は、紫煙をくゆらせながら渋い顔で言った。

 村長は根はいい人なのだが、とにかく頑固だ。牛尾の料理の腕は近隣でも評判で、これまでにも多くの人が彼を街の店に引き抜こうと話をもちかけた。その多くは県内の小さなホテルだったが、梓川村長は金には興味がない。ただ息子に早く身を固めてほしいと願っているだけで、もし息子を外に出すとしても、それは良い嫁候補を紹介してくれる相手でなければ不可能だろう。

 西園寺理...

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