第376章 結納

息子が行く気になり、葉山天と西園寺理菜がその後押しをしてくれた。これ以上、何を心配する必要があるだろうか。

梓川村長がこれまで息子を手放そうとしなかったのは、ひとえに息子の結婚問題を案じてのことだ。その懸念が解消される見込みが立った今、彼に後顧の憂いはなかった。

「外で揉まれてくるのも悪くねえ!」

梓川村長は杯を煽り、酒を一気に喉へ流し込んだ。その視線は、どこか重々しく、熊のように厳つい体格をした息子に向けられている。いつまでも田舎で燻っているわけにもいくまい。

「だがな、変な遊びは覚えるんじゃねえぞ。都会ってのは誘惑だらけだ。手を出していけねえもんには、絶対に手を出すな。本分を忘れ...

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