第66章 薬を盛られる

声の調子からして、男が二人。しかも、どことなく下卑た笑いを含んでいる。葉山天には彼らの正体も目的も皆目見当がつかなかったが、おそらく綾瀬玲奈の後をつけてここまで来たのだろうということだけは推測できた。

つまり、行き当たりばったりの犯行ではない。明確な動機と目的を持ってやって来たということだ。

葉山天は口元に冷ややかな笑みを浮かべた。自分の家に押し入ろうとは、なんと命知らずな盗人だろうか。今日という日は、彼らにとって忘れられない授業をしてやる必要がある。「どんな場所でも好き勝手に入れるわけではない」と、骨の髄まで教えてやらねばならない。

葉山天はドアの脇に立ち、ピッキングか何かで侵入して...

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