第73章 回診(2)

葉山天の太鼓判をもらい、乳房切除術を受けたその患者は、ようやく胸を撫で下ろした。これならば、あのろくでもない旦那に、片胸になったことを疎まれることもないだろう。

病室を出た後、泉川久守が葉山天に尋ねた。

「葉山君、君の言っていたその手術の話だがね、普通は胸部外科の専門医を呼んで行うものだ。本当に君にできるのか?」

泉川久守は婦人科疾患の診断と治療には精通しているが、外科的要素の強い手術となると、そこまでの専門性は持ち合わせていない。

他の若手婦人科医たちも、興味深げに葉山天を見つめた。

「葉山先生、本当に乳房再建手術ができるんですか? 私、てっきり患者さんを安心させるための方便だと...

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