第87章 学校一の美人

葉山天の深刻な顔つきを見て、十三は一種の復讐心にも似た快感を覚えた。だが彼女はすぐに笑みを収め、真剣な眼差しを葉山天に向けた。

目の前のこの男が、果たして信頼に値する人物なのか、彼女にはまだ確信が持てない。部外者に情報を託し、天龍本部へと送り届ける——それ自体が、極めて冒険的な賭けだったからだ。

彼の人柄が信用できるかどうかはさておき、外には正体不明の勢力が厳重な捜査網を張り巡らせており、さらにはアメリカの工作員たちも暗躍し、虎視眈々と機会をうかがっている。そんな状況下で、この機密ファイルを彼に託して、果たして守り抜くことができるのだろうか。

十三の懸念はそれだけにとどまらない。そのフ...

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