第4章
空港の到着ロビーは旅行者たちでごった返していた。宏樹はスーツケースを引きずりながら、先頭を切って歩く。美咲と翔太は遅れまいと必死についていく。
「美咲さんのせいだよ!」翔太が不満を漏らした。「もう少しで飛行機に乗り遅れるところだったじゃないか!」
「もういい」宏樹は振り返りもせずに言った。
「ごめんなさい」美咲は息を切らしながら謝る。「もっと時間があると思ってたの。目覚ましが鳴らなくて……」
「もういいと言っただろ」
宏樹は奥歯を噛み締めていた。今回の旅行は最悪だった。ホテルで美咲が寝坊したせいで、帰りの便を逃すところだったのだ。
翔太が宏樹の袖を引っぱる。「お父さん、お腹...
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